山本恵理 

ジャズピアニスト /コンポーザー

プロフィール

大阪府出身。3歳よりピアノを始め、8歳から独学で作曲を始める。滋賀県立石山高等学校音楽科ではピアノに加え、声楽、ビオラ、作曲等幅広く学び、滋賀大学教育学部作曲専攻に至るまで、数多くのコンサートを行う。

 

1995年、同大学院在学中、ニューヨークでトミー・フラナガンの演奏に感銘を受け、ジャズに傾倒。同年、ニューヨークに渡る。ベーシスト、レジー・ワークマンの勧めで、ニュースクール大学ジャズ科に入学。ジュニア・マンス、レジー・ワークマン、アンドリュー・シリルなどに師事。在学中より演奏活動を開始し、JVC Jazz Festival、Smalls、Lenox Lounge等に出演する。

 

1999年、自己のトリオでイーストヴィレッジのAvenue B Social Clubにレギュラー出演し、マシュー・シップをはじめ、様々なミュージシャン達と親交を深める。2000年からは、グリニッジヴィレッジに位置する歴史あるジャズクラブArthur’s Tavernで、20年以上にわたりレギュラー出演を果たす。その他アメリカ国内では、Hartford Jazz Festival、Vision Festival、Cathedral Park Jazz Festival、Rochester Jazz Festival, Cherry Blossom Jazz Festival、 Lincoln Center Summer Festival、Blue Note、Jazz Alley、An Die Musik等、数多くのフェスティバル、ジャズクラブに出演している。

 

日本全国での定期的なツアーに加え、カナダ、ヨーロッパ等でも頻繁にツアーを行う。イギリスのCheltenham Jazz Festival、スペインのSan Sebastian / Terrassa Jazz Festival、イタリアのTime Zone Jazz Festival、アイルランドのBray / Derry Jazz Festival をはじめ、世界各国のメジャーフェスティバルにも多数出演する。

 

結成20年以上になるベースのデヴィッド・アンブロージオ、ドラムスの竹内郁夫との自己のトリオは、その独創的なサウンドと楽曲で、アメリカ国内外でも評価が高い。ASCAP(アメリカ作曲家協会)からは、2006年から連続で作曲賞を受賞。

 

2018年、幼少期より親しんだ盆踊り曲「江州音頭」をモチーフに、ジャズピアノトリオと混声四部合唱を融合させた「Goshu Ondo Suite」を完成させる。同年11月ニューヨークにて、合唱団コーラル・カメレオンと世界初演、ライブ録音を行う。翌年にリリースした「Goshu Ondo Suite」は、DownBeat、JazzTime、All About Jazz、The New Yorkerをはじめ、多くメディアから高い評価を受ける。また、スペインのサン・セバスチャンとカステヨン、滋賀の大津と日野にても、それぞれの合唱団と共演を果たし、好評を得る。


2022年には2枚目のピアノソロアルバム「Yellow Flower」をスペインのレーベルよりリリース。同年、リーダーとしては14枚目となる、トリオの最新アルバム「A Woman With A Purple Wig」をリリース。全曲、パンデミック中に感じたことを曲にしており、アルバムタイトル曲と「Colors are Beautiful」の2曲は作詞も手掛け、初めて自ら歌っている。雑誌 The New Yorker にも取り上げられ、『とても意味深い曲達。人種差別、性差別へのメッセージが込められているが、それ以上に、生きていることへの喜びがシンプルに伝わってくる。』と絶賛される。また、同2曲の歌詞に感銘を受けた映画監督、アレクサンドラ・シェパノウスカによりミュージックビデオを初めて製作。「A Woman With A Purple Wig」は2023年春、ニューヨークの歴史あるビッグ・アップル映画祭にて、ミュージックビデオ部門の最優秀賞を受賞した。


2023年、ウイリアム・パーカー、竹内郁夫とのトリオアルバム「Colors of the Night」をリリース。シンプルなメロディーをもとに、グループとしてのインプロヴィゼーションをより探求している。


リーダーとしての活動に加え、ウイリアム・パーカー、ダニエル・カーター、ウィット・ディッキー、ロン・マクルーアー、ハミッド・ドレイク、ブッチ・モリス、ポール・マカンドレス、イヴ・レベイエ等、様々なミュージシャンと共演。特にベーシスト、ウイリアム・パーカーとは、彼の多数のアルバムレコーディングに、そしてアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、アフリカでのツアーにも16年以上にわたり参加している。

 

2008年、滋賀大学大学院にて音楽教育/作曲の修士課程を修了。演奏活動に加えアメリカ、日本、ヨーロッパ、アフリカの大学等でジャズワークショップ、マスタークラスも精力的に行っている。2018年に滋賀県文化奨励賞, 2021年には大津市文化賞を受賞。スタインウェイピアノアーティスト。